用語集

ア行 カ行 サ行 タ行 ナ行 は行 マ行 ヤ行 ラ行 ワ行 A〜Z

タ行ロゴ

■ダイヤモンドスラリー  
■ダイヤモンドペースト  
■タンブリング  
■超仕上げ  
■超砥粒  
■超微粒子  
■2(ツー)ウェイ両面研磨盤  
■つや消し仕上げ  
■定圧研磨  
■ディンプル  
■テープ研磨
■手磨き
  
■電解加工  
■電解研削  
■電解研磨  
■電解砥粒研磨
■電解複合研磨  
■電気泳動  
■電子線回折  
■電着  
■とじバフ  
■共ずり  
■トリポリ  
■砥粒  
■砥粒加工  

た

■ダイヤモンドスラリー
人造ダイヤモンドの微粉を水や油に混ぜたもの。ポリシングパッド面に滴下、噴霧し、超硬、セラミックス、サファイア、ダイヤモンドなどの高硬度材の鏡面加工に使われる。2〜3μmから、さらに細かい粒径のものがよく使われる。

■ダイヤモンドペースト

ダイヤモンドを粘度の高い油剤と界面活性剤に分散させてグリース状にしたもの。

■タンブリング

樽状の容器内に工作物とコンパウンドを入れて容器を回転させ、工作物相互の共ずり作用により研磨を行う研磨法であり、バリ取り、スケール除去、油取りなどを目的とする。バレル研磨より、加工精度、仕上げ面粗さともに劣る。

ち

■超仕上げ

自動車の車軸ベアリングのレースの再研磨から始まったという逸話を持つ加工法である。円筒面の仕上げでは、砥石を回転する工作物に低い圧力で押しつけ、軸方向に振動を与えるとともに定速送りを与えて研磨する。ラッピングやホーニングに比べて短時間で鏡面が得られる。砥石の粒度は、粗加工では#280〜480、鏡面加工では#600〜1500を用いる。粗から仕上げまで一貫して行う場合は、#600前後を用いる。

■超砥粒

アルミナなどに比べて硬度が高いCBNやダイヤモンドなどの砥粒の総称。

■超微粒子

一次粒子が1μm以下で高度に分散した粒子のこと。1μm以下になった粒子は高い表面エネルギーのため凝集傾向を持つが、気相法や熱分解法で製造された特殊な微粒子は、高い分散性を維持し、ポリシ剤に使用される。

つ

■2(ツー)ウェイ両面研磨盤

上下定盤が回転することなく固定されていて、工作物は回転する内歯歯車と太陽歯車の双方と噛み合うキャリヤ内に保持されて運動し、上下定盤に挟み付けられる研磨圧のもとでラップされる形式の両面研磨機である。工作物が上下の定盤から同じ方向の研磨力を受けるので、キャリヤにかかる負担が大きく極薄物研磨には適さない。構造が簡単で、比較的安価である。

■つや消し仕上げ

光の反射率が低下して光沢がない加工。研磨面に短くて浅い不連続な筋目(スクラッチ)を均一に付けた方向性のある仕上げやラッピングによる無方向性の仕上げ。

て

■定圧研磨

砥石、ラップ定盤、ポリシングパッドなどの工具あるいは工作物をおもり、バネ、油・空圧などで一定圧力を付加する方式の研磨法。

■ディンプル

様々な加工欠陥のうち、比較的なだらかな凹みの欠陥を指す。発生要因の一つには、ポリシングにおけるパッドの硬度むらや工作物の自転むらなどがあると考えられている。この他、透過型電子顕微鏡用の試料作製で、試料の一部を薄片化する加工法を指す場合もある。そこでは、微細砥粒を懸濁した研磨液中で樹脂系の球形工具を高速回転させてディンプルを形成し、その中心部に穴が開くまで加工する。

■テープ研磨 

研磨テープを工作物に押し当てて仕上げ研磨を行う方法。ポリエステルフィルムの厚さが薄く、均一に砥粒が分散しているので、砥粒切れ刃高さのバラツキが小さく、良好な仕上げ面が得られる。クランクシャフトなどの自動車部品や磁気ディスクなどの電子部品の仕上げ研磨に使用される。

■手磨き

工具あるいは工作物を手に持ち、研磨剤を供給しながら相対運動を与えて行う手作業の研磨法。大きな工作物や量産品に向けて、工具に回転、揺動、振動運動を与えるようになった。

■電解加工

硝酸ナトリウムや塩化ナトリウムなど中性塩の水溶液における数10A/cm2以上の高電流密度での電解溶出現象を利用する非接触加工法。電解生成物を加工域から流出させて安定した加工を維持するには10m/sオーダーの電解液流速を必要とする。高能率ではあるが、加工精度がよくない。

■電解研削 

電解に伴い工作物表面に生じる生成物を砥石の擦過により除去して電解作用をベストの状態に保つ研削法で、加工量の大部分は電解溶出に依存する。研削単独の場合よりも形状精度が悪くなるので、通常、最終段階では電解を行わず、砥石の擦過のみで仕上げる。

■電解研磨
金属工作物を+極、電極工具を−極として、ともに電解液中に浸漬し、電圧を印加して工作物表面を工具のパッドなどで擦りながら電解溶出させる研磨法。表面のミクロ凸部の溶出量が凹部よりも大きくなる効果によりミクロ粗さが改善され、光沢面が得られる。うねりを前加工で機械的研磨により除去しておくことで、加工を有利に進めることもできる。

■電解砥粒研磨

旧機械技術研究所(現産総研)の特許に基づく、鏡面仕上げを目的とした研磨法。電解液を大気圧で供給し通常、0.1A/cm2オーダーの電流密度、20kPa以下の押付け圧で加工を行う。平面、小径管内面への適用を中心とする。

■電解複合研磨

日立造船鰍フ特許に基づく、高能率を目的とした研磨法。電解加工方式で電解液を加圧供給し通常、0.1〜1A/cm2オーダーの電流密度、40kPa以下の押付け圧で加工を行い、電解複合加工とも呼ばれる。大径円筒内外面への適用を中心とする。

■電気泳動

コロイド溶液中で帯電した超微粒子が電場の作用で、帯電した電荷とは異符号の電極に向かって動く現象。

■電子線回折

電子線を照射して得られるBraggの条件を満たす回折像をもとに、表面層や薄膜の構成物質を同定したり、結晶構造を解析する方法。

■電着
電気メッキなどにおいて、電解液中の+イオンがカソード(−極)面上に析出する現象。電着特性がよく、結合組織が強いニッケルを用いて研削・研磨工具の製作が行われている。カソード面を砥粒で覆ったところに、Niイオンが析出して工具ができる。
と
■とじバフ
小片の綿布を多数重ね合わせ、これらを縫い合わせて円形にしたバフ。
■共ずり
ラッピングやポリシングにおいて、工具同士あるいは工作物同士を研磨剤を介して擦り合わせる場合を指す。ラップの共ずりには、形状精度が劣化したラップを標準のラップに擦り合わせる場合や、3枚ずりにより平面ラップを作製する場合などが該当する。工作物についても、2面同士を擦り合わせて両面の当たりを確認する場合や、テーパーピンとテーパー孔のラッピングによる擦り合わせる場合もこれに該当する。
■トリポリ
@微細な酸化ケイ素砥粒(シリカ)から成る天然研磨材(SiO2約98%)。Aこれを用いたバフ研磨剤の通称。主として、非鉄金属、プラスティックのバフ研磨の中仕上げ工程に使用されている。
■砥粒
研削、研磨に使用する高硬度の粒状あるいは粉末状の物質の総称。
■砥粒加工

砥粒を用いて、工作物を所要の形状、寸法、表面粗さ等に仕上げる加工法の総称。


 独立行政法人 産業技術総合研究所