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■サーフェスインテグリティ
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仕上げ面粗さに加えて、疲労強度の支配要因である微小クラックや残留ひずみなどの加工変質層の影響を含んだ加工面の微視的性状を一般に意味するが、ときには、ミクロな表面構造や、物理・化学的な表面特性までも含んで用られることがある。
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■サイザルバフ
サイザル麻の粗大長繊維による織布またはコード(紐)を用いて、回転体形に作製したバフ。優れた研磨能力があり、バフ研磨の粗・中・仕上げの各工程に適した構成様式、処理法のものが多数製造されている。
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■サスペンション
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@微粒子が分散媒中に極めて安定に分散して存在し、全く沈降しないように見える状態のこと。Aサスペンションを形成させるための添加剤のこと。
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■サテンフィニッシュ
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つや消し仕上げ。
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■酸化アルミニウム
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アルミナ。研磨剤には、α-アルミナ、γ-アルミナが使用される。高硬度の物質であり、通常は粒状で使用されるため、アルミナ砥粒とも呼ばれる。溶融アルミナ質砥粒や焼結アルミナ質砥粒はα-アルミナであり、ラッピング用に使用される。ポリシング用の微細アルミナは、γーアルミナであり、水酸化アルミニウムを熱処理後に微粉砕、分級して得られる。
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■酸化クロム
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金属材料のポリシングに適した砥粒であり、α-アルミナと同じ結晶構造を持ち、高融点、高硬度で化学的にも安定である。
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■酸化ジルコニウム
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製造時の温度により結晶構造が非晶質、準安定正方晶系、単斜晶系、正方晶系、立方晶系と変化するが、この中で比較的軟質な準安定正方晶系や単斜晶系のものがガラスや半導体のポリシングに用いられる。
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■酸化セリウム
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光学ガラスのポリシングでは、この砥粒が多用される。
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■酸化鉄
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ベンガラ。古くはガラスのポリシングで研磨剤として多用された。現在では酸化セリウムに置き換わっている。しかし、光学結晶部品などのポリシングにおいて酸化セリウムでは不満足な場合、今でもこれを用いることがある。
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■磁気研磨
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@永久磁石と砥石などで研磨工具を構成し、磁石と金型など磁性工作物との間に発生する磁力を研磨圧とする固定砥粒方式の研磨。
A磁性砥粒(砥粒と強磁性体で構成)に磁気を作用させて研磨力を発生させる遊離砥粒方式の精密研磨法。円筒研磨以外に平面、内面への適用も可能である。
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■磁気浮揚研磨
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非磁性体砥粒を含む磁性流体に磁力が作用すると、非磁性体砥粒は磁性流体の表面に押出される。この現象を磁気浮揚現象と呼ぶ。非磁性体砥粒は磁性流体表面に高密度で浮揚することになり、表面にある工作物に対して強い押付け力で研磨できる。
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■磁性砥粒
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磁気研磨用砥粒であり、強磁性体と研磨材(砥粒)から構成され、数μmから数百μm径のものがある。磁力を受けて工作物表面との間に研磨圧を発生させることができる。
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■下向き研磨
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工作物を下向きにして研磨する場合を指す。凹レンズの研磨では、凸形状の工具を上向きにし、それに凹レンズを上から覆いかぶせるように置いて、研磨液を上から供給しながら両者を相対運動させて研磨する。
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■湿式ラッピング
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ラッピング用の砥粒を研磨液(水、油)に分散した研磨剤をラップ面上に供給して工作物を擦りつける通常のラッピング。砥粒は工作物とラップの双方に対して、押し付け、転動、引っ掻きの挙動をとり、微小切り屑を排出して除去加工を行う。水や油には砥粒の分散、潤滑、冷却の作用がある。。
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■修正板(リング) |
ラップやポリシングパッドが摩耗により形状精度が低下したとき、擦り合わせて形状修正するための修正板。修正輪形研磨機によるラッピングやポリシングでは、リング状あるいは円板状の修正板を水平回転する下定盤に対向する形に載せ、回転させて使用する。 |
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■焼結砥粒
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酸化物やホウ化物などを焼結により固めた砥粒。
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■定盤
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測定定盤、ラップ定盤、ポリシ定盤、プラテンなどを指す。特に研磨用には、鋳鉄、銅、錫などの金属板や天然石が用いられ、いずれも平面などの形状が所定の精度に仕上げてある。鋳鉄は粗研磨に、銅や錫は精密研磨に用いられる。プラテンはポリシングパッドを貼り付ける定盤である。
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■シリカ
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二酸化珪素(SiO2)。代表的な研磨剤の材料。コロイダルシリカや高純度シリカの形で使用されることが多い。
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■シリケート砥石
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結合剤に水ガラス(珪酸ソーダ)を用いた砥石で、天然砥石のような柔らかい当たりをもつ。水ガラスが加工液中の水にわずかに溶出し、アルカリ性の潤滑剤として働く。
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■ジルコニア |
酸化ジルコニウム(ZrO2)。 |
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■振動形バレル研磨 |
バレル容器内に工作物、メディア、コンパウンド、水などを入れ、容器を振動させて工作物とメディアとの間に相対運動を生じさせて加工を行うバレル研磨。回転形バレル研磨に比べて数倍から数十倍の加工能率を有し、バリ取り・丸み付けなど短時間仕上げに向いている。 |
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■スエードタイプ |
スエードタイプのポリシングパッドは、外見上、裏皮あるいは皮の表皮を取り除いた状態を呈している。ポリエステルフェルトにポリウレタンを含浸させた基材にポリウレタンをコートし、そのポリウレタン内に発泡層を成長させた後、表面部分を除去して発泡層を開口させたものである。シリコンウエハの仕上げ研磨用によく使われている。 |
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■スクラッチ |
加工面に生じた線状のきず。 |
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■スティック砥石 |
超仕上げ、ホーニングなどに使われる棒状の砥石。 |
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■砂かけ |
光学ガラスの製造工程におけるスムージングの一方法。荒ずりなどで大まかな形状寸法の加工を行ったあとの、ポリシングなどにおける仕上げ代を考慮に入れた所定の形状寸法と表面粗さに整える最終ラッピングあるいは精密ラッピングを指す。通常は、形状精度が保証されたラップと#1000〜#1200のアルミナ系の砥粒が用いられる。最近では、通称、砥石研磨、ペレット研磨、精研削などに置き換わってきている。 |
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■砂目 |
ラッピングを行った粗面からポリシングを行っていくと、順次、鏡面化が進む。このポリシングが不十分な状態の鏡面の中に、残存しているラッピングの痕跡を指す。引っかき条痕を含めていう場合もある。 |
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■砂目ぬき |
レンズなどのポリシングでは、ラッピングによる凹凸や痕跡の除去と同時に、所定の形状精度に仕上がることが理想的である。このポリシングの工程を、砂目をなくす工程と精度確保の工程に二分した場合、前者の工程に該当する。 |
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■ゼータ電位 |
液中に浮遊する粒子の表面には密着層と呼ばれる帯電層(通常は負に帯電)があり、その周囲を拡散層が取り巻いている。このような拡散二重層は最外層が中性であり、ゼータ電位はこの二重層の間に発生する電位を指す。微粒子のコロイド安定性に関係する。 |
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■粗粒 |
粒度8〜220番の砥粒の総称。 |
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■ソリュブルタイプ研磨剤 |
水溶性の添加剤。砥粒の分散、機械や工作物の防錆、冷却などの効果を目的で添加し、水で希釈されると半透明あるいは透明になる。 |
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