用語集
■ハイドレーションポリシング 高温水蒸気雰囲気下において、水和反応により工作物表面に生じた水和膜を工具の機械的擦過により除去し、加工変質層のない仕上げ面を得る鏡面研磨法。
■ハイドロプレーンポリシング
回転する研磨工具面に工作物を非接触の状態に吊り下げ、両者間に入るように加工液を供給し、あたかも動圧浮上したようにして機械的接触を避けて高品質仕上げを狙った化学研磨法。
■8の字ラッピング
■バニシ仕上げ
硬質の球や円筒工具によって金属工作物の表面粗さの凹凸を押しつぶし、平滑な鏡面に仕上げる方法。バニシング。
■バフ
バフ研磨用の工具。布、皮など柔軟な材料をバフ研磨機に装着できるように構成した研磨用具。目的、用途に応じて多くの種類がある。
■バフ研磨
回転するバフに工作物を押し当て、バフに保持された砥粒により工作物表面を機械的に加工し、所要の仕上げ面を得る加工法。工作物が大きい場合には、作業者が研磨機を手持ちで工作物に押し当てて加工を行う。
■バフ研磨機
回転軸端にバフを装着し、高速回転させて加工する研磨機械。手動機、専用的な半自動機、大量生産用のトランスファー形の自動機などがある。
■バフ研磨剤
珪石微粉、アルミナ、トリポリ、酸化クロム、酸化鉄などの砥粒をステアリン酸、牛脂、パラフィン、金属石けん、界面活性剤などの媒体に配合したもの。バフ面に押し当てて塗りつける固形(棒状)バフ研磨剤と、スプレーガンなどで噴射塗布する液状バフ研磨剤に大別される。そのほかに、媒体組成を全く異にする艶消し仕上げ(サテンフィニッシュ)を目的とした非油脂性棒状バフ研磨剤がある。
■バフレース
バフ研磨機。
■ばらバフ
円形の綿布を18〜20枚程度重ね合わせ、中心部の軸孔部分だけを縫ったバフ。外周部の摩耗の程度を均一化するため、各布片の織り目の方向がずれるようにしてある。当たりが最も柔らかく、仕上げ研磨に適している。
■バレル研磨
バレル研磨に用いる機械の総称。バレルは鉄製で耐食性、耐摩耗性の観点から、内面はゴム、プラスティックなどで内張りしてある。
■半乾式ラッピング
通常の湿式ラッピングのように研磨剤を連続的に供給せず、細かい砥粒と研磨液を混合してペースト状にしたものを薄く塗ったラップを用いる研磨法。湿式研磨法より加工能率は低いが、乾式ラッピングに近い表面性状の仕上げ面が得られる。
■ハンドラッピング
手磨き。
■非晶質化
単結晶や多結晶を加工した場合に加工変質層が残る。研磨した多結晶金属材料の加工変質層は、表面近傍に塑性流動によるベイルビー層が形成されていて、表面に近いほど結晶粒が微細となり、最外層は非晶質化している。
■微粉
JIS 6111で定められた研磨材粒度のうち、♯240〜8000のものを指す。粗粒(#8〜220)は篩い分けで、微粉は分級で製造され、生産と管理の方法が異なるという事情による。
■非油脂性棒状バフ研磨剤
砥粒、水溶性接着剤(にかわ、その他)と水を主成分とし、筒状の密封容器に封入されたバフ研磨剤。溶融アルミナ、炭化珪素などの微細砥粒を用い、サテンフィニッシュ(つや消し仕上げ)を主目的とする。
■4ウェイ両面研磨盤
上下工具定盤、内歯歯車、太陽歯車と工作物保持キャリヤから構成される両面研磨機である。上下工具定盤は互いに逆方向に回転し、キャリヤは内歯歯車と太陽歯車によって回転する。従って、上下工具定盤の2方向の運動、工作物の自転、公転の合計4運動であることからこの名称をつけた。工作物への負荷が少ないので、薄物加工に適している。
■不織布タイプ研磨パッド
羊毛フェルトを始め、繊維を単に絡ませてシート状にした研磨布を指す。最近では、羊毛よりも耐熱性、耐磨耗性の優れるポリエステル繊維のフェルトにポリウレタンを適度に含浸させた多孔性の研磨布も現れ、シリコン基板の一次研磨用に使用して研磨速度と平面度で好結果を得ている。