用語集
■ガーネット
2価と3価の金属を含む珪酸塩化合物であり、和名はざくろ石という。Mg−Al系やFe−Al系のものが硬度が高く、研削・研磨用に適している。
■回転形バレル
■化学研磨
化学研磨は、研磨剤に工作物を溶去する化学薬品を用い、工作物と工具面を擦り合わせる操作で研磨を行う。化学作用と工具面との摩擦作用などにより、光沢面に仕上げることも可能である。なお、単なる溶液中浸漬のエッチングや酸洗いとは区別する。
■化学焼け
強酸や強アルカリを使用した研磨加工において、工作物表面に生じる黒ずんだ焼け。焼けの部分は正常な部分より数倍悪い仕上げ面粗さになることが多い。
■金型研磨
エンドミルや放電加工による型彫り加工後の表面仕上げ研磨。切削の送りマークや放電痕を除去する工程と表面粗さを改善して平滑にする工程からなる。
■乾式ラッピング
加工液(ラップ液)がない乾燥状態で行うラッピングを指す。湿式のラッピングに比べて切り屑や破砕砥粒の排出・交換が円滑に進まないので焼けなど材料変質が生じやすい。
■基材
研磨布紙やポリシングパッドの構成要素のひとつである。基材面に砥粒を接着・固定したものが研磨布紙、パッドシートを貼り付けたものがポリシングパッドである。基材には、厚さが均一、引っ張り強度が大、伸びが小などが要求される。材質は布、紙のほか、25〜75μm程度のポリエステルフィルムやポリエステル繊維の不織布などが使用される。
■キャリア
研磨機の工作物保持用ケージあるいはホルダを指す。両面ラップ盤の場合、工作物厚さよりも薄く、外周部にギアを有し、ラップ盤の太陽歯車と内歯歯車とに噛み合うように構成され、工作物保持のための穴がある。材質は金属板と合成樹脂板がある。
■球面ラッピング
ベアリング球のような完全球面ラッピングとレンズのような部分球面ラッピングがある。ベアリング球などの量産ラッピングでは、2枚の円環状ラップ(表面が平滑な場合とV溝などが形成されている場合とがある)の間に球を挟んだ状態で研磨しており、直径が大きく、少量生産の球面ラッピングでは、2〜4個のリング型工具で挟みつけるようにして回転させ研磨する場合がある。また、部分球面ラッピングには、所定の曲率を持つ凹凸一組の研磨皿の片方に工作物を貼り付け、他方を工具にして研磨を行う量産ラッピングがあり、1個の工作物を回転させながらラップ工具を押し当てる個別のラッピング方式がある。
■鏡面研磨
光学ポリシングやバフ研磨などが該当し、感覚的には、反射や透過が可能なレベルに仕上がる。光沢を妨げる酸化膜がなく、表面粗さはおおよそ50nmRz以下の研磨。
■くもり
外観検査による光沢を失った状態をいう。例えば、シリコンウエハの最終仕上げ工程のあと、暗室にて集光ランプを用いた目視による「ヘイズ」検査が行われる。この場合、極微細な凹凸や付着部などによる光の散乱が原因している。
■研磨圧力
研磨加工における工具と工作物間に働く力のうち、垂直方向の圧力成分。
■研磨温度
研磨時に発生する熱により上昇した工作物、工具、研磨剤等の温度。工作物の温度は熱放散が劣る中央部で最も高く、その部分の変形や加工量増加などが形状精度低下の原因となる。このため、乾式研磨では特に注意が必要である。
■研磨材
研磨資材ともいう。ラッピングやポリシングに用いる砥粒、発泡ウレタンシートやナイロンクロスなど。
■研磨性能
研磨における表面粗さ、加工変質層深さ、工具寿命、加工能率などで評価した結果の総称。
■研磨テープ
厚さ25〜75μm程度のポリエステルフィルムの上に、サブミクロンから数10μmの粒径の砥粒が接着剤で均一に塗布されたテープ状の研磨工具。
■研磨ディスク
円板状の研磨工具。
■研磨熱
研磨における工具と工作物の作用で発生した熱を指す。ミクロな領域の加工部はかなりの高温になると言われている。研磨熱によって工作物表面の塑性流動的挙動が促進され、また、化学作用も活発になり、表面の平滑化が進む。 超仕上げ、バフ仕上げ、シリコンウエハのメカノケミカルポリシング、さらにはダイヤモンド原石の研磨になると、研磨熱を発生しないと加工量が得られず、鏡面が得にくい。