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シミュレーション解析

 溶湯が鋳型の中で凝固・収縮して目的とする製品に変換する過程をコンピュータによって模擬解析をすることを言う。この解析法は金属の液相状態での流体的挙動から、鋳型中空部に充満した溶湯が、冷却され固相へ変換する過程を取り扱うので、流体力学、熱力学、冶金学、計算機工学についての知識が必要である。

コンピュータシミュレーションは製品の設計段階で決まってくる鋳型の形状・寸法、溶湯材料などを入力データとし、材料の持つ物性値、流体力学や熱力学に関する理論式を組み合わせ、さらに既存の実験データをデータベースとして3次元解析をする。その計算システムの一例を図1に示す。しかしこの解析の精度は計算機の能力にかなり依存しているばかりでなく、理論式の適用できる限界があるため、計算機の能力だけで正確な解が得られるものでものでもない。現段階では欠陥の予測をする程度の機能と考えた方が良い。

計算機工学として使われる手法にはいくつかの方法が提案されているが、欠陥予測としては「ひけ巣」の予測とか、湯流れによる欠陥予測などが試みられている。図2はひけ巣の予測結果の一例をしめす。

図1 コンピュータシミュレーションの構成例1)



図2 等凝固時間曲線によるひけ巣の予測1)

1)日本鋳造工学会編、鋳造工学便覧、p40、42、丸善 (H14)