用語解説

設計上流⇔設計下流の
用語の位置関係

超上流設計

設計仕様の決定以降の生産設計等の具現化設計ではなく、顧客起点の価値を探索し、ターゲットや商品コンセプトを決めた上で、有効な要求機能を定義し、それを工学的機能の担保により、設計仕様にするまでの部分を指す。

ものづくりの川上川下

ものづくりプロセスは素材・材料・部品から組立・製品・システムを経て完成という順序を経るが前者を川上、後者を川下とおき、川の流れに例えた表現。

顧客価値

これから設計開発する製品・サービスの顧客は未知であるが、それを想定し考えた価値。想定顧客の体験価値、経験価値。

コンセプト

顧客価値が生じるためのデザインの最重要ポイント。

関係性デザイン

設計因子間相互の関係に着目してデザインする考え方。人間中心型デザインは人とモノの関係性デザイン、システム設計はモノとモノとの関係性デザイン。

デザイン思考

市場や顧客、ユーザーを観察し、何を欲しているかを感じ取り、それを参考に多種多様なメンバーで自由なアイデアを考え出し、その考え方に基づいてプロトタイプを作成し、そのプロトタイプへのユーザー反応を参考に、何回も微修正を加えながら、改良していく考え方および方法。

ワークショップ

専門やバックグランドが異なるメンバーの多彩な意見を積み上げて行う議論方式。デザイナーが良く行う議論検討方式。

試し打ち

始めから計画を固定せず、相手の反応を見ながら改良を行うこと。

要求機能

関係性デザインの結果から工学系設計者が導出した機能・性能の要求項目。

設計仕様

寸法、重量、形状、材料等、数値化できる設計値。

機能設計

機能や性能を中心に工学的に設計スペックを大づかみで検討する設計。

構想設計

ここでは、関係性デザインと機能設計を含み、詳細設計との境界も含む上流設計領域と定義する。


設計上流⇔設計下流の用語の位置関係

設計・デザイン・DESIGNについて

設計(広辞苑第6版)

「ある目的を具体化する作業。製作・工事などに当たり、工費・敷地・材料および構造上の諸点などの計画を立て図面その他の方式で明示すること。」

デザイン(広辞苑第6版)

「下絵。素描。図案。」「意匠計画。製品の材質・機能および美的造形性などの諸要素と、技術・生産・消費面からの各種の要求を検討・調整する総合的造形計画。」

Design(ロングマン現代英英辞典 4訂増補版)

「PROCESS OF PLANNING、ARRANGEMENT OF PARTS、PATTERN、DRAWING、INTENTION」「to make a drawing or plan of something that will be made or built,[usually passive] to plan or develop something for a specific purpose」

(補足説明)
具体化する作業の他に、ある目的をどのようなプロセスで考えるかを含んだ定義
「design」=「設計」「デザイン」+PROCESS OF PLANNING

本プロジェクトの設計の
定義

PROCESS OF PLANNINGに重点をおいた内容

設計仕様を具体化する設計下流ではなく、要求機能を探索してものづくりを考慮して設計仕様に落とし込む上流設計、並びに、顧客価値を探索し、コトづくりプロセスを考慮した上で、コンセプトに落とし込む超上流設計。

顧客価値やコトづくりは製品リリース後の市場反応によって初めて把握出来る。このように将来起きる事は超上流設計段階でも簡単には把握出来ない。ゆえに、そのような将来の顧客価値やコトづくりの探索をどのように行うか、そのプロセスの検討も重要であり、そのためのマネージメント及び環境構築も研究開発の守備範囲とする。

なお、ここでの超上流設計は企業における数年間の研究開発、新製品企画も含む設計活動を想定しており、製品設計図を製造に落とし込む下流設計の作業効率向上等は守備範囲としていない。


設計・デザイン・DESIGNの定義

関連用語

アクションツール

具体的な行動を促し、実施を支援するための説明やコミュニケーションの道具。

チーム

同一機能集団である「グループ」に対して、組織や部署、役職にとらわれず、問題解決のために有効とされるスキルや知識を持つ人材から構成される機能横断型の集団。

連成

本来、現象トータルで解くべきところを、単独現象に分離して個別に解いているものを、複数掛け合わせて、同時に解くという計算工学分野の用語。分離されているものを同時に掛け合わせて密接に連携させるという比喩。

双方向連成

上下関係や主従関係がなくフラットな関係での連携を指している。双方向連成を目指す対象として、ものづくりの川上(材料・部品・請負加工)と川下(組立・製品・システム)、ユーザーとメーカー、地方と中央、デザイナーと設計者、設計関与者と設計非関与者、を想定している。

ユースケース事例

イメージを具体的に示すために、誰がどのような場面でどのように使うかを記述した事例。

ROI(Return on Investment:投資対効果)

一般的にはマーケティングや投資に関連する用語であり、投資によってどれだけの利益を得る事が出来るかを示す指標。近年では、欧州を中心に、デザイン・機能設計の経済的効果の議論が盛んであり、デザイン・設計の効果測定手法の一つとしても用いられている。

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