問25 貴社(事業所)が困っている研磨加工関連の問題点は何ですか。対象としている問21の加工法、問22の装置類、問23の材料、問24aの履歴および下記の問題点(複数回答可)を選択のうえ、表の中の該当する欄に記入してください。
(例:SUS304鋳造品バレル研磨で、打痕発生、光沢不足、加工能率の悪さ(12に記入)で困る。)
加工法 |
装置類 |
材料 |
履歴 |
問題点 |
コメント |
6a |
12 |
1c |
3 |
1, 4c, 12 |
SUS304, 自動車関連の小物部品(例) |
問題点:
1.スクラッチなどの傷発生
2.形状精度不足(a平坦度 b.平面度 c.厚さ d.平行度 e.端面だれ
f.その他( )
3.表面粗さ大
4.目視的不良(a.研磨むら b.ゆず肌 c.光沢不足 d.鮮映性不足 f.汚れ・異物の付着
)
5.研磨材の破損、異常消耗
6.加工の中断(a.ワーク破損 b.振動発生 c.その他)
7.使用済み砥粒・加工屑・廃液の処理
8.粉塵発生
9.研磨によるワークの反り
10.仕上げ面に関する顧客との評価の食い違い(a.光沢 b.鮮映性 c.その他)
11.前工程の問題点を顧客が十分認識せず、これがすべて研磨にしわよせされてくる。
12.その他( ) |
集計結果
集計結果を図70に示す。(材料別問題点)
1)研磨加工における問題点は、"ステンレス鋼"(55社)、"炭素鋼"(23社)、"合金鋼"・"アルミニウム"(17社)、"チタン"(15社)、"工具鋼"(14社)、"プレハードン鋼"(10社)、"超硬合金"・"酸化物単結晶"(8社)の順にある。
2)ステンレス鋼の場合
問題点は、"目視不良"(12社)、"スクラッチ発生"・"形状精度不足"(7社)、"表面粗さ大"・"廃液処理"(6社)、"研磨によるワークのそり"(5社)、"顧客との加工面評価の食い違い"(4社)の順であった。
3)アルミニウムの場合
問題点は、"形状精度不足"(4社)、"スクラッチ発生"(3社)、"目視不良"・"前加工の問題"(2社)の順位にある。 |
図70 研磨加工上の材料別問題点
(問25-1 材料別問題点-その他)
○ 効率が悪い(10Φ以下の小口径内面研磨加工のため効率が悪く加工費が高い。加工品:SUS316L製フレキシブルメタルホース)
○ コバール材、光部品
○ 研磨時間が長い
○ 放電による硬化層大
○ S50c相当品、ショベル匙部、作業環境が悪い(水及び粉塵)
○ 加工能率の悪さ
○ 親ネジのハメアイ、砥石フランジ、スライド面・取付面、能率
○ ダイヤモンド焼結体の加工速度が小さい、加工能率が低い
○ バリ取不充分
○ 加工速度
○ 研磨工数が大、自動化困難
○ 刃付精度、加工能率 |
集計結果を図71に示す。(加工上の問題点)
1)問題点として、"形状精度不足"(38社)、"目視不良"(34社)、"スクラッチのなど傷の発生"・"顧客との加工面評価の食い違い"(21社)、"表面粗さ大"(20社)、"廃液処理"(17社)、"ワークのそり"(12社)、"粉塵発生"(10社)、"前加工の問題"(7社)の順位にある。
2)精度不足は、担当者の技術レベルによるものと考えられ、目視不良、スクラッチのなど傷の発生、表面粗さ大などは、研磨資材の選択、研磨環境などの改善が必要と考える。顧客との加工面評価の食い違いやワークのそりについては、経験不足なども原因しており、データ-ベースによる解決が期待されるところである。
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図71 研磨加工上の問題点
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