レーザ溶接Home レーザー溶接の基礎 > 溶接欠陥の特徴と主な対処方法
レーザ溶接データベースロゴ
 

ご案内 溶接条件データ レーザ溶接の基礎 溶接欠陥マップ レーザ溶接の事例 溶接改善事例

レーザ溶接の基礎

レーザ溶接の特徴と従来溶接との比較
 
溶接結果に影響するバラメータ
 
溶接欠陥の特徴と主な対処方法
 
溶接部の評価方法
 

3. レーザ溶接の欠陥の特徴と主な対処方法

 レーザ溶接では、前章に述べたようなパラメータを設定して溶接を行い、溶接欠陥や熱変形の無い良好な溶接を行うことができるが、溶接条件によっては、多くの溶接欠陥を発生し、溶接部の機械的強度や信頼性に深刻な影響を及ぼす。特にレーザや電子ビーム等の高エネルギー密度ビームでの溶接ではポロシティと呼ばれる溶接欠陥が溶接金属部に発生しやすい。これは溶接金属部内に発生する空孔で、発生メカニズムは、大型のものはキーホールから発生した気泡が凝固したものであり、小型のものは材料内から気体成分が拡散して来たものである。これを防止するにはキーホールの制御や酸素源・水素源の除去などが有効である。

 また、高速溶接時にはアンダーカットという欠陥も発生しやすい。これは、溶接速度が速い時に溶融金属が溶融池内のえぐれた部分を覆う前に凝固するため、溶接ビードの脇にえぐれた部分が残る欠陥である。この欠陥を防止するには溶接速度の調整が有効である。

 一方、溶接する材料によっては、溶接金属部や熱影響部(HAZ)に割れを生じることもある。割れは、溶接部の強度に最も覿面に影響するため特に注意が必要である。割れの発生機構は発生する場所や場合によって様々なので、割れ発生防止のためには、事前に発生機構や特性について熟知しておくことが望ましい。

 これらの欠陥に加えて他にもレーザ溶接時に発生する溶接欠陥の発生メカニズムと対処方法、収集した欠陥の改善事例へのリンクを纏めた表を作成しているので、こちら1)を参照して頂けると幸いである。

参考文献

1) DMRCのレーザ溶接データベース内の欠陥マップ