4. レーザ切断時の技能
レーザ切断では、2章に述べたようなパラメータを設定して切断を行うが、条件によって切断面の状態は大きく変化する。特に後処理が必要になるような粗い切断面や多いドロスの発生があるようでは、レーザ切断の特徴である精密で高速な加工ができているとはいえない。したがって、熟練でよいレーザ切断技能者というのは、少なくとも加工しようとしている材料において適切な切断条件を見つけることができるものという条件があげられる。
適切な条件を発見するには技術者個人の差はあるが、経験と作業の習熟によるところも多い。そこで、熟練の技能者が加工前段取りや加工中に注目している項目について調査した項目を纏めた表を作成しているので、こちら1)を参照して頂けると幸いである。特に加工条件の影響は技術者が加工条件を設定していく上で重要な指針なので、主要な切断パラメータを変化させたときに起こる変化の特徴は熟知しておく必要がある。こちらの条件の影響についても実験によって検討したデータがあるので、こちら2) も参照して頂けると幸いである。