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表・断面観察 (走査型トンネル顕微鏡(STM)測定)

 走査型トンネル顕微鏡(Scanning Tunneling Microscope 略称 STM)は、先端を尖らせた深針を試料表面に、数ボルトのバイアス電圧を印加して、1 nm(ナノメートル)程度の距離まで接近させると、深針と表面の間にトンネル電流が流れる現象を利用したもので、深針を試料表面を2次元走査して原子レベルの表面の凹凸や形状を3次元で可視化して観察する方法です。試料表面に垂直なZ軸方向に微小振動を与えてトンネル電流を検出し、その電流値を一定に保つフィードバック回路を用いることで、原子分解能の測定を可能にしています。
 また、走査型トンネル顕微鏡は、表面の電子状態にとても敏感な測定法で、間接的に表面構造を実空間で観測可能です。しかし、あくまでも原子そのものの位置を示してはおらず、トンネル電流の流れやすさを示しています。
 測定は、トンネル電流を利用するため、金属などの導電性試料の測定のみが可能で、絶縁性試料は測定できません。