|
オージェ電子分光測定法(Auger Electron Spectroscopy 略称 AES)は、電子線を試料に照射することで発生するオージェ電子が放出され、そのオージェ電子のエネルギーと数を計測することで試料表面に存在する元素を同定する方法です。電子線が照射されたときに、内殻準位(K殻)に空準位が生じ、その空準位を埋めようとして上の準位(L1殻)にいる電子が落ち、このレベル間のエネルギーが他の上位の殻(L2,3殻)の電子に与えられ、その電子がオージェ電子として原子外に放出されます。通常、オージェ電子分光法では、得られたスペクトルは微分して、ピーク位置やピーク強度として測定します。
オージェ電子の発生のためには、内殻準位間の遷移を利用するために、原子番号が1番目と2番目のH、Heからはオージェ電子が発生しないので、これ以外の全元素が分析対象となります。
走査型の電子ビームを用いることで表面形態を観察しながら元素マッピングを測定することができます(Scanning Auger Microscopy 略称 SAM)。また、イオンスパッタリングと組み合わせて、掘りながら分析することで深さ分析も可能となります。 |
|
|