研削砥石の種類
研削砥石は3要素(砥粒・結合剤・気孔)(図1)、5因子(砥粒の種類、粒度、結合度、組織、結合剤)から成り立っている。ここで3要素は砥石を構成する要素を、5因子はそれらの要素の性状を表現している。
3要素
1.砥粒:砥石としての機能を発揮する高硬度の粒状または粉末の物
2.結合材:砥粒と砥粒とを結合・保持する接着剤としての材料でボンドともいう。
3.気孔:研削砥石中に存在する空間、切りくずを貯める機能を持っている。気孔のあるものを有気孔(図1(a))、無いものを無気孔という(図1(b))。
図1 砥石の3要素
5因子
1.砥粒の種類
工業用に使われる一般的砥粒としてJIS R6111-2002(人造研削材)にその性状に関する規定があり、ここではアルミナ系と炭化ケイ素系に大別している。適用加工物との対応ではアルミナ系は一般鉄鋼・工具鋼などの金属に適し、炭化ケイ素系はアルミニウム・銅・超硬合金など、非鉄、非金属に適している。それぞれの材質と記号を次に示す。このうちWA、GCが高硬度低靭性である。
・アルミナ系 A(アランダム)、WA(ホワイトアランダム)、PA(ピンクアランダム)、HA(解体型アルミナ)、AE(人造エメリー)、AZ(アルミナジルコニア)
・炭化ケイ素系 C(カーボランダム)、GC(グリーンカーボランダム)
・超砥粒 そのほか研削材用のダイヤモンドやCBN( これらを超砥粒という )についてはJIS B 4130-1998(ダイヤモンド/CBN工具−ダイヤモンド又はCBNと(砥)粒の粒度)の規定がある。
2.粒度
砥粒の大きさをいい、篩のメッシュで表す。数値としては220までを粗粒、それ以上を微粉という。数値が小さいほど粗く、また粗いほど強度は弱くなる。研削面の仕上げ精度により選定する。しかし仕上げ面粗さと粒度とは無関係で、仕上げ面粗さはドレッシング条件で変わる。
3.結合度
砥粒と結合剤との保持力を示す指標でアルファベットA〜Zで表わす。Aに近いほど軟らかい。一般に、硬い加工物には軟らか目の砥石を、軟らかいものには硬めを用いる。また、結合度の大きい砥石ほど強度が強く、軟らかいものほど強度は弱い。
4.組織
砥石単位容積中に占める砥粒の割合( 砥粒率 )から定める指標で、砥粒率62%から34%までを0〜14の15階級の分け、砥粒率62%を組織0としている。
5.結合剤
砥粒同士を結びつけている材料をいい、ビトリファイド(記号V)、 レジノイド(記号B)、ラバー(記号R)、シリケート(記号S)、セラック(記号E)、メタル(記号M)、電着(記号P)マグネシアセメント(記号Mg)
がある。
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