基本特性 |
内容 |
詳細解説 |
高温硬度特性 |
高温における硬さが大きいこと。切削時の発熱によって工具が高温にさらされますが、切削温度下で工具の硬さが工作物より十分に大きいこと(4倍以上)が必要です。高温硬度が大きいと切刃の塑性変形による損傷も起こりにくくなります。 |
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耐摩耗性 |
工具欠損などがおこらなくて正常な状態での漸進的な摩耗が少ないこと。 |
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耐欠損性 |
工具切刃の小さな欠けであるチッピングや比較的大きな欠損・はくりが起こりにくいこと。一般に高温硬度が高い材料ほど靭性が低くなって、耐欠損性が損なわれます。 |
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耐熱衝撃性 |
断続切削では切刃が繰り返し加熱・冷却されるので、熱的衝撃による疲労破壊やサーマルクラックが生じにくいことが必要になります。 |
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高温化学安定性 |
高温化学安定性の低い工具では、切削温度が高くなると酸化摩耗や拡散摩耗が起こりやすくなります。超硬合金やハイスを使って重切削するときに問題になることがあります。 |
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耐溶着性 |
切刃に被加工物が溶着しにくい性質を指し、被加工物と工具材質の組み合わせによって溶着性が変わります。溶着が起こると、加工精度や仕上げ荒さが悪くなるとともに、切屑がかみこみが起こりやすくなって、工具欠損の原因になることもあります。 |
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皮膜の耐はくり性 |
切削条件が厳しいと、母材の塑性変形や熱疲労が原因になってコーテッド工具の皮膜が母材から剥離することがあります。 |
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