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透過型電子顕微鏡(TEM)

 透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope 略称 TEM)は、非常に薄くした試料に電子ビームを入射し、試料を透過してきた電子(透過電子、弾性散乱電子、非弾性散乱電子)を電子レンズで拡大し、最終的にはスクリーン上に像を形成して、構造観察や結晶性の評価を行う方法です。
 高分解能のTEM(HRTEM)では、格子欠陥が存在するか、界面が原子レベルで平坦かどうか、などの観察が可能です。その性能は年々向上しており、200 kV級TEMで分解能が0.2 nm、300 kV級TEMで分解能力が0.1 nmを切るとされています。ただし、試料の厚さは50 nm以下にする必要があります。
 また、EDSやEELSなどの分析装置をTEMに付与することで、微小領域の組成分析が可能となり、こらを総称して分析電子顕微鏡(Analytical Electron Microscope 略称 AEM)と呼んでいます。