|
磁気異方性トルク試験は、強磁性体試料を磁界中に弾性糸でつるし、磁界を印加したときに試料が磁気的な内部エネルギーにより力を受けて、磁化容易方向に試料が回転する現象に対して、このときのトルクを弾性糸のねじりから測定する方法です。磁界の方向の関数として行われ、得られた測定曲線をトルク曲線と呼んでいます。反強磁性体および常磁性体試料では、磁気異方性は帯磁率xが結晶方向によって異なることから生じており、磁界(H)の2乗に比例して180°の周期をもつ一軸性の磁気異方性を示します。
磁気異方性には、結晶構造に関連した物質固有のもの、試料の形状に起因するもの、成膜条件や各種処理条件によって生ずるものがあり、それぞれ結晶磁気異方性、形状磁気異方性、誘導磁気異方性と呼ばれています。また、磁気的内部エネルギー最小、最大の軸方向を、それぞれ磁化容易軸、磁化困難軸と呼んでいます。
|
|
|