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びびり振動の抑制策

 びびり振動には強制びびり振動と、自励びびり振動がありいずれの形態を持っているかによってその抑止策も異る。
 強制びびり振動の場合は振動源の特定とそれのからの振動伝達を遮断することである。それには防振対策を施すとか、振動源そのものを別のところにおくなどの方法をとる。または工作機械系の固有振動数が振動源の周波数と一致しているときは、振動源からでる振動数を変えることも効果がある(表1)。
 自励びびり振動の場合は系の振動応答性に問題があるので、抑制手法としては自動制御論が使われる。そこで対象となるパラメータは単位面積当りの切削力γ、切削幅b、あるいは主軸が1回転するに要する時間Tなどの切削条件、そのほか工作機械全体の動特性Gなどが対象になる(表2)。表では制御する手法として何に注目して考えるかを中心にまとめてある。


表1 強制びびり振動抑制法1)
強制振動の種類 抑制法 具体例
内部発生振動 振動源の除去
振動伝達経路の遮断
振動周波数の変更
ポンプなどの機外持ち出し
フレキシブルカップど
回転数の変
外来振動 振動伝達経路の遮断・防振 防振基礎、ラバーマウントなど
切削力 切削力の低下
強制振動数の変化
工具形状の工夫
カッタの刃数変更、不等ピッチカッタ
(一般的な抑制法) 工作機械系の動剛性向上


表2 自励びびり振動抑制法1)
基本的な視点 抑制法 具体例 備考
切削特性の立場 切削条件の変更 切削速度低下
切り込み減少
主軸回転数の増加または減少
γの非線型
bの減少
γの選択
工具形状の変更 すくい角、ねじれ角増加
不等ピッチカッタ
γの低下
γの制御
機械動特性の立場 構造動特性の増加 高剛性の設計
鋼板溶接
レジンコンクリート構造
Gの減少
工具動特性の改善 ばね(ヘール)バイト
ダンパ内蔵中ぐりバイト
同上
局所的な振動抑制 各種ダンパの応用 同上
制御の立場 能動制御 アクティブ切り込み制御など 同上
受動制御 主軸回転数の制御 同上


1) 精密工学会、精密加工実用便覧、(2000)、p41、日刊工業新聞社

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